両代表インタビュー①
Q.今でこそ、飲食店において「どんな食材を使っているか」に視線が向けられたり、良い生産者から仕入れを行うこと注目されていますが、10年前、都電テーブルを立ち上げた時は状況が違ったのではないでしょうか?
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〈青木〉結果的に、10年後を先取りする形になったのはよかったです。立ち上げメンバーそれぞれに思いがあるけど、(馬場)祐介は、「いわゆる消費文化な外食産業としての飲食店はやりたくない」って言っていて。そこに、自ら選んだ全国の生産者から素材を仕入れる「こだわり商店」の安井もメンバーに入って。
顔の見える生産者から仕入れる素材を使って、シンプルでちゃんと美味しい、いつでも食べたくなるような、お店なんだけど「ただいま」って帰ってきたくなるような、家庭の食事を味わってもらえる飲食店を作ろう、というのが原点で、それは今も変わりません。
Q.都電テーブルは現在3店舗ありますが、定食を提供するスタイルの〈早稲田〉は、都電テーブルの原点である”家庭の食事を味わってもらう”を一番そのままに体現しているお店ですね。
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〈馬場〉1,500〜3,000円の定食がメインメニューです。コロナ前は1食1,000円前後で提供することを基準にしていましたが、根本にある思いとして、自分たちが自信を持って食べてほしいと思えるいい素材を出す、というシンプルなことを曲げずに続けていくと、物価の高騰も背景に加わり、自然と今の価格帯になりました。
複雑な味付けやオプションをつけて付加価値を作るんじゃなくて、素材の良さを引き出すシンプルな味付けで、ちゃんと正当な値段をつける。そこにちゃんとお客さんが価値を感じて来てくれているのが〈早稲田〉であり、自分たちにとっても飲食店として挑戦できている部分だと思います。
〈青木〉白米が、味噌汁が、野菜が、素材がちゃんと美味しいという軸がブレていないからこそ、早稲田は特にリピーターに支えられています。ちゃんと都電テーブルの「美味しさ」をわかって来てくれる人たちがいて、まさに”まちのもうひとつの食卓”になれているなと感じますね。
そのまちに暮らす人々の日常に必要とされなければ、飲食店は続かない。それはコロナ禍で改めて感じたことで、都電テーブルとしてもかなり苦しい時期を経て、今一番いい形で自分たちが作りたかったお店づくりに向き合える環境や体制が整いつつあると思います。